1．水産品に関する原産地規則
ベトナム側の交渉者の説得のおかげで、EU側はベトナムのイカとタコの加工品はASEAN諸国の材料を使用しも累積の規則でベトナム原産品だと認めてくれた。そこで、イカとタコの加工品を作るのにASEAN諸国から材料を輸入しても、製品はEUに輸出する際にEVFTA特恵関税率の適用を受けることができる。これはASEANの投資家にとってベトナムに進出し、水産物加工の生産拠点を出すいいチャンスである。それによって、地域のサプライチェーンを活用し、EVFTA協定の優遇を受けることができるからだ。
2．縫製品に関する原産地規則
EVFTA協定における縫製品原産地規則は二工程ルールである。ようするに、(i)製織工程と(ii)縫製工程はベトナムまたはEUで実施する必要がある。このような原産地規則では、裁断・縫製に使用する織物は、ベトナムまたはEUの原産品でなければならない。この二工程ルールを満たすため、外国投資家がベトナムに製織工場の設置、もしくは織物の生産拡大を行うように促進している。
一方、この二工程ルールについて、EUがベトナムに柔軟的な適用制度を与えてくれた。具体的には、ベトナムにもEUにもFTAを締結した国からの材料を累積できる。現在、韓国はベトナムにもEUにもFTAを締結した国である。EU韓国自由貿易協定（EKFTA）とベトナム韓国韓国自由貿易協定（VKFTA）が締結された。そこで、ベトナムのメーカは韓国原産品の生地を使い、縫製品を作い、EUに輸出する際は、EVFTA特恵関税率の適用を受けることができる。この規定は二つの効果がある。１つ目は、ベトナムのメーカは韓国製の生地を使用することを許可する。２つ目、EUに輸出する縫製品が原産地規則を満たし、優遇関税率の適用を受けるために、韓国投資家がベトナムに製織工場を設置し、ベトナムで布を製造することを促進する。今後、EUとベトナムがさらに多くの共通相手国をできると、累積ルールはさらにベトナムにサプライチェーン開発・加工・生産を行うよう、投資家を激励していくだろう。
専門家の意見
商工省輸出入局原産地課長
チン・ティ・トゥ・ヒエ