ASEAN‐中国自由貿易協定(ACFTA)

ASEAN‐中国自由貿易協定(ACFTA)の下でベトナムが約束した関税撤廃の内容はASEANと中国の首脳がカンボジアで2002114日に締結したASEANと中国の包括的経済協力枠組み協定、ラオスで20041129日に締結したASEANと中国の物品貿易協定、ベトナムと中国が中国で2005718日に締結した覚書(MOU)に準拠する。本協定は200611日発効した。

iACFTAにおけるベトナムの関税減免約束

ベトナムは10年以内に段階的に90%の品目の関税引き下げを柔軟的に実施し、2018年を期限とする。残りの品目は2020年を期限に輸入税率を5%~50%に引き下げることを約束した。ベトナムの約束を実現する為、財務省は2015年~2018ASEANと中国の物品貿易協定を実現するための特別優遇輸入税率表に関する20141114日付省令第166/2014/TT-BTC号を制定し、201511日発効していた。

- 201511日より、ベトナムは2014年と比べ、更に3,691品目の関税率を0%に引き下げた。(関税撤廃した品目が合計で7,983品目になり、全体の84.11%を占める)関税撤廃対象物品は、樹脂及び樹脂の原料、家具及び木製品、機械設備、部品、コンピューター及び電子部品、服作りに使う布、アパレルの材料、副資材、靴の革、縫製品、鉄鋼材料の一部の品目である。2016年、2017年は2015年の関税を維持する。

- 201811日より、ベトナムはさらに588品目について関税率を0%に引き下げた。(関税撤廃した品目が合計で8,571品目になり、全体の90.3%を占める)関税撤廃対象物品は肉製品の一部の品目、穀物、モーター、日用品、化学品、プラスチック、ゴム、紙などである。

- 2020年までに、約475品目について関税率を5%に引き下げる。関税引下対象物品は、鉄鋼製品、電気ケーブル、家電製品、ゴム製品、磁器・陶器、紙、セメント、プラスチック、その他の工業製品、加工された農産品、トラックと専用車の一部の品目等である。

- 高関税率を維持する或いは関税を引き下げないのは456品目であり、鶏卵、砂糖、タバコ、エンジン、車両(6トン~10トントラックを除いた自動車、バイク)、ガソリン・ディーゼル、鉄鋼、建材、国防保障に関連品目である。

ii)ベトナムに対する中国の関税減免約束

- 中国は2011年に全体の95%の品目について関税撤廃を約束した。残りの品目はセンシティブ品目で、中国は、2018年を期限に段階的に5%~50%に関税を引き下げると約束した。

- 2015年まで、中国は7,845品目について関税率を0%に引下げた。関税撤廃したのは全体の95.35%であり、ベトナムからの輸入高の91.59%を占める。ASEANに対する中国輸入税率表の平均税率は2015年~2017年が年間0.73%であり、2018年が年間0.56%であった。

- 関税率が維持される品目は、穀物と穀物からの製品、コーヒー、茶、調味料、ガソリン・ディーゼル、肥料各種、原料のプラスチック、服作りの布、製織・縫製の原料、靴の革、エンジン、機械設備、自動車、自動車のエンジン、自動車部品、家具等である。

ソース:貿易振興庁