タイで開催された第14回ASEAN首脳会議において、2009年2月26日にASEAN物品貿易協定(ATIGA)が署名された。ATIGAは、2010年5月17日に発効された。加盟国それぞれの関税引き下げスケジュールは以下の通りである:
・ASEAN先行加盟6カ国(ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)は、全ての品目について2010年よりすでに関税撤廃済みである。
・ASEAN新規加盟4カ国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)は、全品目の約90%について2015年に関税撤廃、全品目の約97%について2018年に関税撤廃する。また、粗糖、上白糖、米、鳥肉、豚肉と関連製品、肉の缶詰、卵、果物の一部等のセンシティブ品目については2018年以降でも関税率5%を維持することが認められた。
ATIGA協定でのベトナムの約束を実施するために、財務省は2015年~2018年ATIGA協定実施ためのベトナム特別優遇輸入税率表を制定する2014年11月14日付省令第165/2014/TT-BTC号を制定し、財務大臣の2011年11月17日付省令第161/2011/TT-BTC号に置き替えた。この省令は2015年1月1日に発効していた。
- ATIGA約束を実施し、ベトナムは2014年時点で6,897品目(全品目の72%)につき関税撤廃を実施済んだ。
- 2015年1月1日より、さらに1,706品目につき関税率が0%に引き下げられた。残りの669品目(全品目の7%)は主にベトナムとASEANのセンシティブ品目であり、2018年に関税率が0%に引き下げられた。対象品は自動車やバイク、自動車・バイクの部品、植物油、熱帯果物、冷蔵庫・空調機などの家電製品、牛乳及び乳製品などである。
- 関税撤廃の除外品目(MFN関税率を維持する品目)は、シガレット、タバコ、国防保障関連品目の火薬・銃器・花火、医療廃棄物、中古タイヤなどである。
- 全体で見ると、2015年に実施した1,706品目の関税撤廃はASEAN諸国からの輸入金額を高め、輸入の相手国を他の国よりASEAN諸国に転換する傾向が生まれた。一方、貿易自由化による輸出金額の急な上昇が見込まれない。ASEAN先行加盟6カ国が2010年から既にベトナムに対する関税を0%に引き下げたからだ。
ソース:貿易振興庁