2024年6月12日に開催される "日本とベトナムの投資協力関係深化" オンラインセミナー

ベトナムの地方、工業団地および企業が日本投資家との関係を維持する為、ベトナム商工書貿易振興局(VIETRADE)がアジア・アフリカ市場局、駐日ベトナム大使館の商務部、在大阪ベトナム総領事館の商務部、和歌山県、国際機関日本アセアンセンター(AJC)、日本貿易振興機構(ジェトロハノイ)と協力し、2024年6月12日に「日本とベトナムの投資協力関係深化」オンラインセミナーを主催した。セミナーにはクアンナム省、ソンラ省、ダナン市からの代表者、そして投資促進のコンサルティング機関と両国の工業団地・企業の代表者を含む80人以上の参加者が出席し、成功裡に終わった。

日本とベトナムの投資協力関係深化」オンラインセミナー

開式スピーチとして、ベトナム商工省貿易振興局の次長であるレー・ホアン・タイは日越関係は新たな章が始まっており、多様面における画期的な発展を遂げていると強調した。また、世界とアジア地域の平和と繁栄のため、日越関係は2023年11月に正式に包括的戦略パートナに格上げされた。VJEPA, AJCEP, RCEP と CPTPPの4つの自由貿易協定(FTA)に加盟しているベトナムと日本は、投資、貿易およびグローバルバリューチェーンの連携において協力できる大きな可能性を秘めており、両国が発展し、お互いの貿易を促進させ、バランスを維持しながら持続可能で効率的な協力を追求するための動機と可能性を示している。

投資協力の面では、日本は現在、ベトナムに投資している150の国と地域のうち3位にランクインしており、750億米ドル以上を投資している。また、重点分野は加工産業、製造、不動産事業、運輸、倉庫業などである。貿易面では、両国間の貿易活動は、2020年の400億米ドルから2023年には約450億米ドルと、長年にわたって着実かつ持続的に成長してきた。なお、ベトナムからの輸出は、日本の総輸入額の3.2%を占めている。


貿易振興局 次長のレー・ホアン・タイ氏がセミナーで発表した

2018年から2023年にかけて、ベトナム商工省と和歌山県は、貿易産業分野での協力覚書に署名し、毎年の投資交流と貿易促進派遣団を維持することを約束する他、 農業、加工、収穫後農産物の保存など、和歌山県の強みである分野において、和歌山県の企業が地方やベトナム企業との貿易に投資し、協力することを促進することも目指している。

セミナーでは、日本アセアンセンター(AJC)国別協力支援チームの管理者であるグエン・トゥアン・アイン氏が、日越投資協力の状況を概要した。 現在ベトナムに進出している日系企業数は第4位であり、 日本企業が進出している国全体の5%を占めている。 なお、AJCの最新の調査によると、ベトナムは今後3年間の日本企業の事業拡大目標において、インドに次ぐ第2位となっている。

グエン・トゥアン・アイン博士 - ASEAN日本センター(AJC)加盟国支援プログラムマネージャー

また、日本貿易振興機構(ジェトロハノイ)の次長である小林恵介氏はベトナム経済は鈍化傾向にあるものの、ASEANの中では高い成長率を維持しているので、日本企業は輸出志向型、国内市場型の両方で事業拡大意欲が高いと強調した。また、ベトナムで事業拡大する機能について、製造業、非製造業ともに「高付加価」というキーワードが上位になり、大型投資は地方へ投資が広がりつつある現状である。最後に小林恵介氏は、インフラ整備がすすんだことやコスト優位性がベトナムの魅力で、日本の地方自治体とベトナム地方省との連携、相互補完関係が期待されると主張した。

日本貿易振興機構(ジェトロハノイ)の次長である小林恵介様がセミナーで発表した

和歌山県の潜在力を紹介し、両方の企業が投資協力する機会を作るため、 和歌山県企業振興課長の田端一哉氏は、地方の主要な業界を説明するだけでなく、商工省と農業農村開発省と締結した覚書が、農業、農業製品保管、製造業などの多面にわたって両方の貿易関係を促進したと強調した。一方、和歌山県は中小企業が中心であるが、長い時間をかけて産業・ハイテク開発能力が発達しており、これらの企業がハイテク・先端路線や運輸分野などを保有しているとも述べた。そして田端一哉氏は、道路建設やインフラ整備は和歌山県企業の強みであり、また、林業や人材育成などの分野でベトナム側からも協力してもらいたいと述べた。


田端 和也 氏 - 和歌山県事業推進委員会理事

鹿島建設社員としてベトナムに駐在する宮村萌子氏は、ベトナムへの投資に対する関心と計画について語った。鹿島は、日本の五大建設会社の一つであり、国内外で不動産開発も行っている。ベトナムを投資先に選んだのは、ベトナムが信頼できる投資先であり、マクロ経済の安定性を備えた力強い経済が理由にあげられる。特に、彼女は、過去数年にわたる両国の良好な関係に基づいて、信頼と持続可能な協力関係を構築することの重要性を強調した。ベトナムの工業用不動産とホテル不動産市場に関しては、鹿島グループは、2024年には市場が徐々に回復し、来年にはより前向きな変化を伴う成長軌道に入ると予想している。現在、鹿島グループは、ベトナムの多くの省や都市で、Core5ブランドの貸工場と倉庫、およびWinkホテルチェーンの2つの不動産プラットフォームに投資している。

オンラインセミナーは、関係者が交流し、情報を共有し、ベトナムと日本の投資協力を強化する機会をうまく作り出した。これは将来の活動のための重要な準備ステップである。ベトナム投資貿易促進代表団の日本における今後の投資促進活動は2024年7月21日から7月27日まで。出張の枠組みの中で、ベトナム貿易促進庁(商工省)は国際機関や和歌山県政府と連携し、第2回ベトナム・日本投資貿易協力会議を開催する。東京と和歌山では、200人以上の日本のパートナーや投資家が参加し、ベトナムの地域や企業との直接的な貿易関係を築くことが期待されている。